2023年度の縄文アート −縄文と今をArtでつなぐ体験授業『体験!発見!発掘!?ペーパー尖石遺跡』
■開催日と場所/7月30日(日) 尖石縄文考古館、青少年自然の森
■授業内容/午前:「鑑賞のコツ」「土器のみかた」
午後:ワークショップ「体験!発見!発掘!?ペーパー尖石遺跡」
■参加者/10名(茅野市内小学校2年生から5年生)
○「鑑賞のコツ」
講師/康耀堂美術館学芸員 井万優子さん
みなさんは美術館でひとつの絵をみるのにどのくらい時間をかけていますか?
ゴッホやルソーの作品を使って、クイズも交えながら、作品をじっくり楽しく観るコツを教えてくれました。
「観賞」と「鑑賞」の違いに触れながら、「対話型鑑賞」という方法を参加者のみんなと体験してみました。
今回使用した作品画像:ゴッホ《タンギー爺さん》、ルソー《夢》
実は、ひとつの絵につき平均10秒くらいしかみていません。ゴッホの《タンギー爺さん》は、どっちの手が上
でしたか?10秒でしっかり観るのはなかなか難しいですよね。
ルソーの《夢》を観ながら、どんなものが描かれているかを挙げてもらいました。女の人がいる、ヘビや鳥や
ライオンのような動物がいる、真ん中には笛を吹く黒い人がいる、などなど…色々意見が出て来ました。
鑑賞するときのポイントはこの4つ!
「みる」…じっくり作品を観る。
「考える」…これは何だろう?ここ面白いな、など自由に考える。
「話す」…これは○○じゃないかな、よく見たらこんなものが描かれてるよ、と人に話す。
「聴く」…相手のお話も聴いてみる。自分に無い考え方や発見があるかも。
4つのコツを意識して作品を観ることを大切にしながら、次の「土器のみかた」、尖石縄文考古館での展示品
の鑑賞へと移ります。
○「土器のみかた」
講師/尖石縄文考古館 守矢昌文特別館長
「土器のみかた」では、守矢昌文特別館長自ら丁寧に取り扱い方法を教えて下さり、今年も本物の土器に触ら
せてもらいました。
作品を傷つけないよう、腕時計や指輪などの装飾品を全て外して、自分の大切な宝物を扱うのと同じように両
手で優しく包み込むように持ちます。本物の土器は重いと感じた人もいれば、案外軽いと思った人もいるかも
しれません。細かく文様が刻まれていたり、本物を近くで見なければ分からないことがたくさんありました。
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井さんと守矢特別館長のレクチャーの後は、尖石縄文考古館で展示されている土器や土偶をじっくり鑑賞
しました。面白い文様や土器の形をワークシートにスケッチしながら、お気に入りの土器=推し≠フ土器
を探します!
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午前中の授業はここまで。
昼食が終わると、午後のワークショップです。
○ワークショップ「発見!体験!発掘!?ペーパー尖石遺跡」
講師/京都芸術大学 美術工芸学科非常勤講師 染谷聡先生
お手伝い/京都芸術大学 大学院生8名
縄文土器には不思議な文様がたくさん描かれています。
そのうちの一つが「縄目」という文様ですが、一体どうやって描かれたのでしょうか。縄文人と同じ方法で、
紙に色々な縄目文様を描いてみましょう。
このワークショップでは、午前中の土器鑑賞で気づいたり・発見したりしたことを活かして、オリジナルの
ペーパー土器を制作しました。紙管に巻きつけたロープに色を塗って、大きな紙の上でコロコロコロ。気に
入った文様がある場所を探し、好きな土器の形に切り抜いて名前をつけました。
素敵な土器を発掘できました!
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○「過去の縄文アートについて」
2017年の授業風景⇒ 『土器、ドキドキ!縄文探検隊!!』
2018年の授業風景⇒ 『縄文国の国旗をつくろう!』
2019年の授業風景⇒ 『わたしの祈願文様を染めよう!』
2021年の授業風景⇒ 『縄文土器巾着をつくろう!』
※2020年と2022年の縄文アート体験授業は中止
○「縄文アート作品展について」
縄文アートで制作した作品は、下記日程で巡回展示を行います。
ぜひ、ご家族やお友達と一緒にお出掛けください。
■康耀堂美術館
展示期間:8/5(土)〜8/15(火)まで
■茅野市中央公館
展示期間:8/31(木)〜9/7(木)まで
■茅野市芸術祭
展示期間:10/21(土)〜10/25(水)まで
※本作品展は無料でご覧いただけます。ただし、康耀堂美術館での夏のコレクション展『ま −余白の美−』を
ご覧いただく場合は、別途入館料が必要です。
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○「次年度の体験授業開催について」
体験授業は、来年も開催する予定です。
茅野市教育委員会、茅野市中央公民館、尖石縄文考古館との連携を深め、参加者のみなさんと一緒に、
楽しみながら学べる授業を企画していきます。授業の様子は、当館ホームページやブログでもお知らせ
します。
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